【レビュー・書評】Practical Everyday English:日常会話で頻出のイディオムを身につけられる中上級者向け良書
- 著者:Steven Collins
- 出版社:Montserrat Publishing
- ページ数:212ページ
- ジャンル:日常会話
- 対象レベル:中上級者
このページでは「Practical Everyday English」のレビュー・実際に利用した書評・こんな人におすすめの書籍だよ、ということについて解説していきます。
目次
Practical Everyday Englishの特徴
句動詞と慣用句を徹底的に学習し、表現力を高める
Practical Everyday Englishでは、句動詞や慣用句を徹底的に学習することができます。例えば最初の章では、”Quite a few”や”Well off”といった慣用表現が出てきます。
実際にイギリス圏で生活していくと必ず耳にする表現ばかりなので、本場イギリスで生活したい人や、イギリス人と話す機会がある人は知っておいて損はありません。
前の章で学習した表現が繰り返し出てくる
また、この本の特徴として、前の章で学習した表現が繰り返し出てきます。なので、自然と反復学習ができ、表現が自然と身につきます。
英語を身につけるには、頭の良さは関係なく、「何度その表現に出会ったか」が大切になってきますので、この本で反復学習が意識された構成となっているのは評価できます。
CDに吹き込まれているスピードがマジで早い
普通、学習用のCDって聞きやすい発音・聞き取りやすいスピードで話されていることが多いですよね。でも、Practical Everyday Englishの音源は、マジで早いスピードで話されています。というか声優ではなく素人が吹き込んでます。
ネイティブの話している生の英語のリスニング力を高めたいと考えている人にはぴったりな一方、TOEICなどの勉強が中心で、早い英語に慣れていない人はびっくりするかもしれません。
また、クリアな音ではなく、「あー家で吹き込んだんだろうな」というくらいちょっとノイズ混じりの音源となっています。笑
ユーモアのある文章で飽きない
本書はAmazon.ukでの評価が鬼のように高いのですが、その理由の一つがユーモアのある文章や図が乗っていて飽きないようになっていることです。
特に歴史の授業で、「ウィリアム3世の次の王は?」と聞かれて「ウィリアム2世」と答える生徒。そしてそれをボロクソに罵倒する教師。このやり取りには思わず声を出して笑ってしまうほど。
全体的に無理に楽しい場面だけを集めたポジティプな教材ではなく、もっと生々しく共感できる話が多いですね。
Practical Everyday Englishはこんな人が使うと効果的
ネイティブらしい表現を身につけたい人
句動詞やイディオムを使いこなせるようになるだけで、ネイティブライクな英語を話すことができます。
ネイティブ同士の会話をリスニング出来るようになりたい、さらっとネイティブ表現を使いたい、そんな人におすすめの教材です。
早い会話を聞き取れるリスニング力を身につけたい人
音源がとにかく早く、リエゾンたっぷり、強弱たっぷりなので、早い会話を聞き取れるリスニング力を身につけたい人は使うと効果的でしょう。
もしこのレベルの英語をシャドーイングできるように慣れば、英語のリスニングでついていけないものはなくなるんじゃないでしょうか。
オンライン英会話で教えてもらいながら使うのがより効率的
使い方としては、独学で音読やシャドーイングをしていきながら表現を自分のものにしていくのが良いかと思いますが、この本の一番の欠点が「難しいところ」です。
表現の日本語訳が載っているわけではないですし、イディオムごとの解説も充実しているとは言えず、独学だと意味がわからず挫折する可能性もあります。
そのため、一番おすすめなのは「オンライン英会話の教材として使う」ということです。オンライン英会話であれば、自分の好きな教材を指定できますので、「Practical Everyday English」を使いたいといえば、この教材でレッスンが受けられます。
テキスト内で出てきた表現を使った英文を作り、オンライン英会話の講師に添削してもらうことで、より定着が図れますよ。
この本を手に取ろうとしている人へ
英語教材ジプシーになっていませんか?
この本は非常に質が高く、やり抜けば英語ができる可能性があります。
しかし、あなたが今まで色々な書籍や教材を試してみて、英語が中々できるようにならず「この教材なら英語が身につくかなぁ」とこの本を手に取ろうとしているのであれば、ちょっと待ってください。
もしかしたら、あなたは英語教材ジプシーになっているかもしれません。英語教材ジプシーとは、英語の勉強が目的になっており、いろいろな英語勉強法や英語教材に目移りしてしまい、肝心の英語が身につかない人です。
英語ジプシーの人は、このまま何年勉強しても英語ができるようにはなりません。「英語の正しい勉強の仕方を知らない」または「英語学習方法に迷ってしまっている」状態になっているからです。
この状態を抜け出すためにはコーチング英会話スクールに行き「英語学習の専属コーチ」に頼ることが一番効果的です。
短期的には高額となりますが、このままダラダラと数年間身につかない英語を勉強するより、2ヶ月〜1年間でスパッと英語を身につけて、「本当にやりたいことをやる」という次のステージに早めに行くことを考えてみてはいかがでしょうか。